デジタル革新を勝ち抜くには、最新のITツールを導入するだけでは勝ち抜くことは出来ません。

デジタル革新は、企業にこれまでと全く異なる戦略構造を要求します。

これまで、ビジネス戦略とIT戦略は直列的な関係でした。ビジネス戦略はIT戦略にとって入力情報で、そのベクトルは基本的にビジネス戦略からIT戦略への一方向でした。

マーケティング戦略も同様にIT戦略にとっては、一方向のベクトルで入力情報に過ぎませんでした。

このような関係からシステムを1-2年かけて開発し、7年以上仕様を殆ど変更すること無く使用することが出来ました。

しかし、デジタル革新時代の戦略構造は全くこれとは異なります。

VUCAの対応

デジタル革新時代は、様々な変化に対応する必要性があります。

このような変化を表すキーワードとして2010 年頃からビジネスの世界で使われるようになったVUCAという言葉があります。変化を象徴する4つのキーワードの頭文字をとったものです。

① Volatility  — 変動性

クラウド・AI・IoT・ブロックチェーン・・・今まさに ITによるパラダイムシフトが起きており、ビジネス環境は急速に変化しています。

② Uncertainty — 不確実性

ベンチャー企業の台頭などこれまで無かった先行きの読めないビジネス環境は、企業に不確実性への対応を迫っています。

③ Complexity  — 複雑性

システムは肥大化、複雑化の一途をたどり、それはこれからもより一層顕著になっていきます。
ただでさえ、複雑なシステムは変化に追従することでより複雑になっていきます。

④ Ambiguity   — 曖昧性・不明確さ

変化に対応しようとする場合、そこには経験したことの無い問題が発生します。この前例のない問題に対応するには、すべての判断材料を揃えて判断することは難しいことがあります。

 

デジタル革新時代の戦略構造

このような変化に対応するには、これまでの一方通行の戦略では、これには対応出来ません。

ビジネス戦略・マーケティング戦略・IT戦略は三位一体である必要があります。

デジタル革新にとって、ビジネス戦略とIT戦略の関係は卵と鶏の関係です。そして、マーケティング戦略はIT戦略とビジネス戦略を流動的に見直すことを要求します。

更に、この流動性は月単位や週単位で変化を要求します。IT戦略は、これに対応できるものでなければなりません。

下図は、これまでの戦略構造とデジタル変革時代の戦略構造の違いを表しています。


デジタル変革時代の戦略構造は、ビジネス戦略・マーケティング戦略・IT戦略がそれぞれ入出力を持ち、3つ戦略は有機的に連動する必要があります。


戦略マネジメントオフイス:SMO

これまでのマネジメントは主にIT戦略(システム開発)から行われ、プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)がプロジェクトマネジメントを支援してきました。

しかし、デジタル革新時代の戦略構造では、戦略立案フェーズから戦略のマネジメントを行う必要があります。

これが戦略マネジメントオフィス(SMO)です。

SMOは、3つの戦略が有機的に連動する計画を立案し、戦略間のインターフェースを定義することで、戦略調整の円滑性をサポートします。

更に3戦略への助言や仮設立案支援を行うことで、デジタル化へのステップを上がりやすくし、3戦略の意見調整を行います。

戦略マネジメントオフィス(SMO)は企画フェーズのマネジメントオフィス(MO)です。

マネジメントオフィス(MO)は、

  開発フェーズでは、プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)

  運用フェーズでは、運用マネジメントオフィス(OMO)

と変化していきます。

このように、企画・開発・運用と一貫したデジタル変革のマネジメントが、より実効性の高いデジタル変革へと導いてくれます。