システム運用とは何か、よく使われる言葉ですが正しい定義は存在するのでしょうか。

Wikipediaでは、

“システム運用(-うんよう)とは、コンピュータシステム等のシステムが停止することなく、利用顧客に対してつつがなくサービスを提供できるよう当該環境を維持管理すること。” 

と記載されています。   これを書いた方はよく理解できている方が書いていると思います。

しかし、この定義はシステム運用の部分集合を抽象化したに過ぎません。

つまり足りないのです。  

システム運用を語る前にシステムそのものに目を向けます。

システムというと  

・WEBシステムの検索がどうの  
・AIによる自動判別  
・WEBサーバやDBサーバのミドルウェアやハードウェア  
・ネットワーク機器や負荷分散装置

などをイメージすると思います。

出てくるキーワードが具体的過ぎて、”システム運用とは何か“という超抽象的な問いの答えまで行きつきそうにありません。  

もう少し話の抽象度を上げてみましょう。 先ほどの細かい話のレベルよりも大きく1段レベルを上げてシステムを1つのボックスとして考えます。

一般的な業務システムでは、利用者がいてバックエンドに業務部門とシステム部門がいる。それぞれの役割をロールと呼びます。 ここでのロールは、利用者・業務部門・システム部門の3つ。

それぞれの役割の一般例は以下の通りです。

利用者    WEBシステムをオンラインで利用する人
業務部門   統計情報などを取得する人、バッチ処理の結果を使ったりもする
システム部門 運用作業や障害時対応に責任を持つ 

システム化に投資する経営者は、直接システムは操作しませんが、システムに投資する判断をする。 では何のためにシステムに投資するのでしょうか。   

・作業を自動化して人件費を減らしたい   
・製品を生産するリードタイムを短くしたい  

などいろいろありますが、要は先ほどの各ロールに便益(何らかのメリット)を提供することです。

利用者から見るとWEB画面にデータを入力するだけで瞬時に答えが返ってくる。
業務部門は月次の締め処理が月初にわかるなどです。  

あれ?システム部門は便益を提供される訳ではないよね? と思った方、その通りです。

この例の場合、システム部門は便益を提供されるロールではありません。

では、どう表現すればよいでしょうか。


システム運用の定義

先ほどシステム部門は“運用作業や障害時対応に責任を持つ”と表現しました。

運用作業や障害時対応は何の為にあるのでしょうか。

それは利用者や業務部門のシステム利用に支障が出ないようにするためです。

少し難しい言葉を使うと、   

システム運用とは、便益提供を保証する行為

であると言えます。   これが運用の本当の定義です。